先日東京に大雪が降りました。

ここまでの雪は四年ぶりとのこと。
私は東京に来て三年目なので、東京に来て初めての大雪でした。

 

もともと故郷である大阪もほとんど雪が積もらないので、私は雪への対処の仕方が全然わかりません。
この日もお仕事のため朝から出かけていて帰りは夕方になる予定だったのですが、長靴も持ち合わせておらず、手袋とマフラーを忘れないようにするくらいの対策で出かけてしまいました。

 

案の定帰路に着く頃には外は雪景色。
電車は大幅に遅延していてホームも大混乱でした。全車両飽和してしまっていて、ホームで何度も電車を見送り、乗り込んだ電車は満員。事故を避けるため速度はゆっくり、各駅停車。

 

普段から満員電車が大の苦手な私は、この事態にかなりの不安をおぼえながらも、とにかくインナーマッスルに力を入れて真っ直ぐ立つことだけを意識して揺られていました。

 

 

だけど何故でしょうか、朝の通勤ラッシュの満員電車とはどこか空気が違うのです。

いつもよりすこし幸せそう。そう思いました。

 

東京の雪景色

滑らないようにすこしゆっくりになる歩み

店先の小さな雪だるま

普段は話さないあの人や、もう二度と会わないかもしれないその人と交わす「寒いですね」

すこし早い帰宅を待つ我が子にきっと連れ出される雪遊び

冷えた体を温めるお鍋の湯気

 

非常事態だからこそ生まれる小さな幸せが、少しずつ。満員電車の中に溢れている気がして。

いつもよりも窮屈な私のスペースには、いつも感じるトゲトゲした壁がなくて、触れる身体の体温が温かくてぼーっとしてしまいました。

 

いつもより2倍以上長い帰路はいつもよりも静かに滑らかに流れて、
のぼせた頭で帰宅した一人の家で、小さな雪だるまと少量の鍋をこしらえたその日は、
いつもより早く眠りにつきました。

 

結局日が昇る前に目が覚めたのですが、真っ白な窓の外の景色を一人で見る明け方は、贅沢で幸せな時間でした。

 

これを読んでいるあなたのあの日は、どんな1日でしたか?

 

 

平井早紀